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落語「いずみ寄席2016 桂米朝一門会」に行ってきました

私は落語を直に自分の目で見たことがありませんでした。

昔はTVでもよくやってたように思いますが、今はとんと見かけません。

「笑点」くらい? 私が知らないだけ?

それも自分から進んでチャンネルを合わせることはなく。

 

母から「落語見に行かない?」と誘われたのは昨年の10月頃のこと。

母のお付きで出かけるのもいいかと思い、

二つ返事で答えたのをすっかり忘れていました。

 

今回見に行ったのは「桂米朝一門会」

私のよく知る米朝師匠は2015年3月に89歳でお亡くなりになりましたが、

一門会の名前には今も「米朝」と付くのだなと無知に感動していました。

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まあ初めての落語鑑賞でまず何に驚いたかって、

客電消さないんですね! 

少し照明は落とすものの、

劇やミュージカルのように完全に暗くしないのにびっくりしました。

もう一つ、驚いたこと。

それは・・・年齢層高っ!!!

若い方もいたかもしれませんが、

ざっと見たところ年配の私の母と同じくらいの方ばかり。

私より若そうな方を一人も見かけませんでした。

でも、実際お若い方で落語が好きな方もいらっしゃいますよね。

読者登録させていただいてる、

リク・ノコトーさん(id:r1ckey)はよく落語記事を書かれています。

そのリクさんから前日にアドバイスを頂きました。

退屈!?ぜんっぜんでした!

とってもおもしろくてどの噺家さんもぐいぐい引き込まれましたよ!

寝ては失礼と、瞼を止めるセロテープ持って行ったのに用なしw

 

前夜に少しだけ勉強

といっても、渋さを好む「江戸落語」と派手さを好む「上方落語」があることくらい。

まぁ最初だし知識のない状態で見てもいいかと深くは掘り下げず。

そしてこれは本当に偶然なんですが、

先日B'zの稲葉さんがご自身のサイトで江戸落語の立川談春さんと対談をされています。


立川談春 × 稲葉浩志 / 落語対談

談春さんのお話から江戸落語は発祥から小屋で行われたため大きな動作はなく、

上方落語の発祥は大道なので鳴り物や動作が大きいのだと知りました。

今回はせめてこの点だけでも気を付けて見てみようと思った次第。

 

 

演目

桂 雀太「商売根問」

平成14年5月に桂雀三郎に入門。

マクラはトップバッターということで、鑑賞においてのマナーを話されました。

 

無職の男が御隠居の家に行くと、のらりくらりと暮らしていることを説教されます。

そこで商売を始めたことを告げるのですが、それは「すずめ取り」。

すずめをたくさん捕まえて焼き鳥屋に売るのだと。

酒に漬けた米を撒いてすずめを酔わせて捕まえようとするのだけど・・・

 

ネタとしてはオチが見えてしまう話だけど、

話しぶりから次は何が来るのかと楽しみになる筋でした。

 

桂 歌之助「桃太郎」

平成9年3月に故・桂歌之助(二代目)に入門。

マクラは大阪のオバちゃんのことを。

大阪人なら誰もが目に浮かぶ情景だったのでおもしろい。

 

父親は遅くまで寝ずにいる息子を寝かしつけるために布団で桃太郎の話を聞かせる。

ところが、子供は一々理屈を言って全く寝ようとしない。

お化けが出るだの怖がらせるも全く効果なし。

それどころか逆に昔話の解釈を理路整然と話だし・・・

 

本題の息子が我が家の次男に思えてクスクスと声が出ました。

落語って古いものだろうに、

今どきの子供と似通っている話が作られてたんだなとおもしろかったです。

 

桂 吉弥「餅屋問答」

平成6年11月に故・桂吉朝に入門。

関西ではテレビやラジオによく出演されていて、自己紹介的なマクラを短く。

 

大阪から借金こさえて逃げてきた「おまはん」。

餅屋のおやっさんに世話になっているのだが、仕事もせずに遊び呆けている。

あれこれ仕事を勧めてくれるけど何かと理由をつけて断ってばかり。

そこで村の住職不在の寺の坊さんになれと言われるのだが・・・

 

にわか坊主でお経も知らず「適当なお経」をあげている。

この適当なお経は噺家やその時によって変わるのかなと思いました。

面白いお経がスラスラとよく出るものですね。

オチはぴったり上手く合っていて、

笑いより「おぉ~~!!」と感心しました。

 

桂 南光「抜け雀」

昭和45年3月に故・桂枝雀(二代目)に入門。

美術に精通している南光さんらしく、日本絵画にまつわる話をマクラとし、

本題につなげていた。

 

東海道の宿場・小田原を中心に一文無しの絵師を宿に泊めたところから話は始まる。

絵師が宿代の代わりに衝立に書いたすずめが衝立から飛び出して・・・

 

江戸と上方では途中から少し話が違うようですね。

婿養子の主人・小田原なのに大阪弁の女将さん・黒羽二重の色落ちを上手く関西人が

笑えるように表現されていました。

面白おかしくトントンと話が進みながらオチでは親子の情や諫めが胸に沁みました。

 

ー中入りー

 

桂 米團治「看板の一」

昭和53年8月に父である故・桂米朝に入門。

最後の上方落語四天王*1である三代目桂春團治さんが先日お亡くなりになった。

父・米朝が亡くなった時のことや春團治との思い出をしんみりせず、

面白く聞かせてくれた。

 

半丁博打で負けこんだ連中のそばを御隠居が通りかかる。

御隠居はその昔、親分と呼ばれるほどの博打打ちだった。

そこで景気づけに御隠居に胴元になってくれと頼むのだが、

御隠居の手口にまんまとハマる連中。

しかし御隠居は連中を窘め、博打をやめるように言い勝ちを返してやるのだが・・・

 

長くはない話でしたが、軽快な語り口でスルスル耳に入ってきます。

本題が博打なだけにオチは見えていましたが、一番声を出して笑いました。

マクラも含めて一番聞きやすかったです。

 

桂 雀三郎「寝床」

昭和46年3月に故・桂枝雀(二代目)に入門。

ご自身の落語家としての活動以外のお話で自己紹介。


ヨーデル食べ放題

この方ですw 大阪人なら知っている!?

 

あるだんなが浄瑠璃義太夫に凝っていて、皆に聴かせたがるのだが、

これが下手なもので周りは迷惑に思っている。

番頭に人を集めさせるのだが皆あれこれ理由をつけて断るばかり。

だんなはすっかり拗ねて怒ってしまい・・・

 

浄瑠璃にまつわるお話ですが、浄瑠璃を知らなくても楽しめる話の筋です。

人情を語っているので人々の感情があるあるでおもしろかったです。

話は一番長かったんじゃないかな?

一人一人の断り文句をつらつら語るのでそうなるのでしょうね。

オチが未熟な私にはちょっと理解できなかったのです💦💦

 

 

最後に

上方落語には付き物の「見台・膝かくし・少拍子」はセットされている噺家さんと、

されていない噺家さんがいらっしゃいました。

なぜなんでしょう?

6人の噺家さんの落語を聞きましたが、滑舌が良い方ほど話に引き込まれました。

滑舌が良くない方は言葉を追うのに必死になってしまって・・・

何度も見るうちにオチまで知っている話に出会うのでしょうが、

噺家さんごとに特徴があったり盛り上がりが違うのかな?

いつかそういう違いに巡り合えるのも楽しみの一つだなと思いました。

 

今回、かな~り楽しかったので、これっきりにはならないと思います。

私はまだまだ落語を聞く耳が達者ではないので、

肥えてきたら感じ方も変わるんだろうということを楽しみにしたいと思います。

少しづつ落語のあれこれを知っていけたらいいな。

 

感想内容も浅くて恥ずかしいですが、

まだ未経験の方も楽しめるので一度ぜひ!

何より料金が安いので物の試しに(笑)

 

 

 

ARIGATO☆

*1:六代目笑福亭松鶴・三代目桂米朝・三代目桂春團治・五代目桂文枝